香港で就職活動をするにあたり、必ず必要となる履歴書の書き方を紹介します。
履歴書は英語で「Resume(レジュメ)」または「CV(Curriculum Vitae / カリキュラム・ヴィタエ)」と呼ばれ、日本の履歴書と職務経歴書が一緒になったものとお考えください。
日本の履歴書と英文レジュメの大きな違いはフォーマットであり、一般的に日本の履歴書は定型フォーマットに記入していきますが、英文レジュメはフォーマットに決まりがありません。いずれも香港では、手書きではなくパソコンで作成します。また、日本では履歴書に記載されている「学歴・資格・職歴」が重視される傾向にありますが、香港では「スキル」が重視される傾向がありますので、これらを意識して英文レジュメや履歴書を作成していくことが大切です。
なお、日系企業で面接を受ける場合は英文レジュメと日本語の履歴書を用意すると良いでしょう。英文レジュメの書き方
企業は「面接者がどのような人材なのか」をみていますので、第一印象を大きく左右する服装や身だしなみは重要です。
香港ではカジュアルな服装で面接に訪れる方もいますが、男性はスーツ、女性はスーツまたはビジネスシーンにふさわしい服装で面接に訪れてください。(リクルートスーツで面接に訪れる必要はありません。)
なお、スーツを着用しない企業であっても、面接時はスーツを着用して面接に訪れることをお勧めします。
基本的に英文レジュメには職務経歴をより詳しく書きます。定められたフォーマットが存在しないため、能力やスキルが同じ人物であっても、作成する人物により仕上がりの印象が異なります。
企業が英文レジュメで確認したいことは、その人物が「何ができるのか」ということであるため、英文レジュメには具体的なスキルやキャリアを分かりやすくシンプルに書くことが大切です。
- 英文レジュメの作成ポイント
-
英文レジュメは「自分を売り込むためのツール」です。
採用担当者は多くの応募者の英文レジュメに目を通すため、伝えたいことを簡潔に、自分のスキルや経験がいかに企業の求める人物像とマッチしているかをアピールしましょう。A4用紙を使用し、1枚~2枚以内にまとめ、本文のフォントは10pt~11pt、見出しは12pt~14pt、色は使わずモノクロとし、ビジネス文書で使用されるフォント(Times New Roman, Arial)を使用するのが一般的です。レイアウトは項目ごとに分け、大切なことを強調しながら要点を抑えて箇条書でまとめるのが良いでしょう。
無駄な情報は英文レジュメには不要です。不定冠詞(a/an)、定冠詞(the)は基本的に省略し、一人称は使わず、書き出しには名詞句や動詞を使いましょう。
一般的に日本の履歴書には性別や年齢を記入しますが、英文レジュメには記入をする必要がありません。仕事には直接関係がない趣味や特技などの記入も不要です。
最後に誤字・脱字がないか、もう一度よく確認し、可能であれば第三者にも見てもらいましょう。
英文レジュメの見本
- 英文レジュメの項目は以下のように分けることができます。
- Personal Data(氏名、連絡先)
- Objective(応募職種、目的)
- Summary(概要)
- Work Experience(職歴)
- Education(学歴)
- Additional Skills, Languages(資格、その他)
- 以下に具体的な記入方法を紹介しますので、英文レジュメの見本と照らし合わせながらご確認ください。
- Personal Data(氏名、連絡先) Personal Dataはヘッダーに書きましょう。氏名はレジュメのタイトルとなりますので大きめの文字で中央に書きます。その他にも、住所、携帯番号、Eメールアドレスの連絡先を記入します。
- Objective(応募職種、目的) Objective(またはCareer Objective)とは、応募職種への志望動機や過去の経験を活かしてどのように貢献できるかを記入します。最近では記入しない応募者もみられますが、1つか2つの文章で簡潔に自己PRをおこなうと良いでしょう。特に職業経験の無い方や業界・職種変更をおこなう方は、応募職種を明確にするために記入をおすすめします。
- Summary(概要) Summaryとは、過去キャリアを端的にまとめて説明するものですが、記入は必須ではありません。応募職種が決まっている場合は、求人企業が求める人材に自分が見合っていることを担当者が興味をひくように記入します。
- Work Experience(職歴)
職歴は新しいものから順番に記入しましょう。
香港は学歴よりも職歴(職務内容)が重視されるので、働いていた会社でどんな仕事をして、何を達成したかを具体的に記入します。最近の職務内容のほうが重視されるため、過去の全ての職務内容を無理に記入する必要はありません。新卒者の場合はアルバイトやインターンシップ経験、ボランティア活動などを記載しましょう。 - Education(学歴)
学歴も新しいものから順番に記入します。(小学校や中学校の記載は不要)
大学名と卒業年度とともに、短大や専門学校卒の場合は「Associate of/in Arts」など、四年制大学卒(学士号)の場合は「Bachelor of Arts」など、大学院卒(修士号)の場合は「Master of Arts」などを記入します。そして、在学中に優秀な成績や表彰されたことなどがあれば記入しましょう。 - Additional Skills, Languages(資格、その他)
アピールできる追加情報を記入しましょう。
資格、表彰、語学、OAソフト、スキルなどを説明するとよいでしょう。
※求人企業の募集要項はしっかり読みましょう
求人企業の募集要項にはレジュメの形式や盛り込むべき情報、職に求められる技能が記載されている場合がありますので、漏れのないようにしっかりと確認してください。
日本語の履歴書の書き方
日系企業の就職・転職活動で求められることの多い履歴書について説明します。
香港の面接で一般的に提出される応募書類は英文レジュメですが、日系企業の場合は人事担当者が日本人駐在員であったり、最終的な採用を日本本社がおこなうこともあるため、日本語の履歴書を求められることがあります。
日本の履歴書はある程度フォーマットが決まっており、大きく分けて基本情報欄、学歴職歴欄、免許・資格欄、志望動機欄、本人希望欄に分かれます。ここではそれぞれの項目について記入例と入力ポイントをご案内していきます。
下記に履歴書の記入例を紹介します。日本人の方は「日本人向けの記入例」、香港人の方は「香港人向けの記入例」をご覧ください。なお、履歴書のテンプレートは無料でダウンロードが可能です。
- 日本語の履歴書の作成ポイント
-
日本語の履歴書は、英文レジュメの補助的資料となります。
学歴や職歴を重視する企業もあるため、「入学、卒業、入社、退職」についての年月は漏れなく正確に記載しましょう。記載方法として、日本では手書きが好まれる傾向があるようですが、海外では手書きでもパソコンで作成しても問題ありません。字の綺麗な方は手書きで、字を書くことが不得意な方はパソコンで作成すれば良いでしょう。
用紙のサイズは、日本ではB4サイズが一般的ですが、香港ではA4を2ページに分けて作成して問題ありません。写真は、面接後に担当官が思い出す重要な資料となります。プライベート写真を切り貼りするのではなく、ビジネス用の洋服を着て写真屋で撮影した証明写真を貼るようにしましょう。
通常の履歴書の定型フォームには、英文レジュメでは書かない「生年月日、趣味・特技、通勤時間、扶養家族数、配偶者、配偶者の扶養義務」を記載する欄があります。基本的に、採用には関係ない情報なので記載する必要はありませんが、「趣味・特技」のみ、あなたの個性を表していたり、業務内容に通じることがありましたら、記載した方がいいでしょう。
最後に誤字・脱字がないか、もう一度よく確認し、可能であれば第三者にも見てもらいましょう。
履歴書の見本(日本人用)
履歴書の見本(香港人用)
-
- 基本情報欄
- 日付(提出日か前日の日付、面接で持参する場合は当日の日付)
- 顔写真(3ヶ月以内に撮影された、カラーのもの)
- 氏名(姓と名の間はスペースを空け、「ふりがな」はひらがなで記入)
- 生年月日(和暦でなく西暦で記入)
- 性別(該当するほうをマルで囲む)
- 現住所(現在住んでいる住所を記入)
- 電話(日中連絡が取れる番号を記入)
- 連絡先(現住所と異なる場合のみ記入)
- 学歴・職歴欄
- 和暦でなく、西暦で統一して記入
- 高校卒業から時系列で記入(学校名などは略さずに記入)
- 職務経歴書に記載する内容と矛盾がないように記入
- アピールできる情報は漏らさず記入
- 免許・資格欄
- 和暦でなく、西暦で統一して記入
- 免許・資格は略さずに正式名称で記入
- 応募する業界や職種に関連する資格を記入
- 志望動機欄
- 応募企業を研究し、「この会社でなくてはならない理由」をポイントをまとめる
- 本人希望欄
- 希望職種など、応募企業で働く上で希望する条件を記入
- 基本情報欄