2020年11月25日(水)
オンラインセミナー・交流会
【たった90分で日本語力UP!これがカリスマ日本語教師が教える驚異のメソッドだ!】
私は2001年から日本語教師として北京大学と清華大学で10年間教鞭をとった後、2011年から現在まで「日本語学習方法」をテーマに、中国をはじめ世界33カ国で講演会などを行っています。本日は私のメソッドの中から3つのポイントをお話ししたいと思います。
発音とアクセントのコツはじめにお話しするのは、発音やアクセントについてです。これはとても大事です。この世に語学のセンスはあっても天才はいません。何度も練習してぜひコツをつかみましょう。
まず、あいうえおの発音です。学生たちはこのように発音します。「あー」「いー」「うー」「えいー」「おうー」これはダメです。なぜかというと、「あ」のときは「あ」の口、「い」のときは「い」の口、「う」のときは口をすぼめた「う」の口、「え」や「お」のときは口を大きく開けています。これではおかしな発音になります。
「あ」「い」「う」「え」「お」と発音するときにすべて口の形は「い」にします。このときに口は動かさないようにします。そして、日本語の発音は短いです。「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」とゆっくり話さずに、「あ」「い」「う」「え」「お」と短く、軽く、優しく話します。練習するときは「あああ」「いいい」と3回ずつ発音しながら練習すると良いです。
次に、かきくけこの発音です。あいうえおと同じように口の形は「い」です。かきくけこは強い発音になりやすいので、特に優しく軽く発音するように意識しましょう。さしすせそ以降も口の形は「い」です。たちつてとも発音が強くなりやすいので軽く優しく発音してくださいね。
笈川 幸司氏
四川省の学生は、なにぬねのをらりるれろと発音する子が多いです。しっかり区別して発音しましょう。「な」の場合は顎が下に動きます。「ら」の場合は動きません。顎が動くのがな行、顎が動かないのがら行と覚えましょう。「ぬ」は「う」と同じようにキスの口になりやすいので、「い」の口を意識しましょう。
はひふへほの「ふ」の発音は、日本のアニメで女の子が笑うときと同じです。「い」の口で「ふふふ」と笑いますね。まみむめも以降も口の形は「い」の形で、短く優しく「ままま」「みみみ」と3回ずつ続けて練習しましょう。
これで皆さんに、日本語の発音はすべて「い」の口の形で話すことがおわかりいただけたと思います。私は話すことが仕事ですので、大きく口をパクパク開けながら話します。でも、皆さんはすべて「い」の口で発音できれば大丈夫です。これが大きなポイントです。
次にアクセントです。日本語のアクセントにはいくつかのパターンがあります。まず、平板型アクセントです。例えば「味です。姉です。医者です。椅子です。枝です。お茶です。顔です。風邪です」などがあります。これらはアクセントがありません。「す」の力を抜いて発音すると優しいイメージになります。
アクセントの練習
そして、頭高型アクセントです。例えば「秋です。朝です。汗です。雨です。今です。意味です。海です。家具です」などがあります。これらはアクセントが最初にきます。「あきです」の場合は「あ」にアクセントですね。
続いて、中高型アクセントです。例えば「あなたです。絵本です。砂糖です。少しです。日本です。一人です。図書館です。飛行機です。現金です」などがあります。これらは真ん中にアクセントがきます。でも、学生たちが発音すると真ん中の音が高くなってしまいますので、私は真ん中の音を低くするように教えています。
最後に、尾高型アクセントです。例えば「歌です。馬です。紙です。事です。寿司です。月です。夏です。肉です」などがあります。学生たちは「です」が高くなってしまいます。「です」は低く発音しましょう。それから話すスピードもポイントです。例えば「うーまーです」ではなく、「うまです」と速く話すように練習しましょう。
他にも日本語には同じ発音でアクセントが違う単語があります。こちらを発音してみましょう。「胃です。絵です。尾です。蚊です。可です。気です。木です。苦です。毛です。子です」これらの練習にはWebサイト「オンライン日本語アクセント辞書」が役に立ちます。「OJAD」と検索するとすぐに見つかりますので、参考にしながら練習してください。
授業中の先生とのやり取り
文法も例文を使いわかりやすく進めていただきました
日本語を勉強している学生の中に、人前で日本語が話せないと言う子がいます。でも大丈夫です。これからお話しする内容を練習すれば、誰でも人前で堂々と日本語を話すことができるようになります。このレッスンは学校で先生が質問することに答える練習です。早速やってみましょう。
「先生、ご指名いただき、ありがとうございます」
「では、第7課の文法、(誰々は)毎日(何々)をしますを使って例文をつくります。皆さん、どうぞ聞いてください」
「(私は)毎日(コーヒーを飲みます)。(母は)毎日(ご飯を食べます)。(兄は)毎日(映画を見ます)」
「以上です。先生、皆さん、どうもありがとうございました」
この文章の中の(誰々は)と(何々)の部分は、自分でいろいろな言葉を当てはめて練習しましょう。次のように変えて練習してみてください。
「(誰々は)毎日(どこどこ)で(何々)をします」
「私は毎日家で勉強します。妹は毎日寮で動画を見ます。子どもたちは毎日公園で遊びます」
「(誰々は)毎日(何々)か(何々)をします」
「弟は毎日ご飯かパンを食べます。父は毎日コーラかお茶を飲みます。姉は毎日テニスか卓球をします」
「(何々)と(何々)をください」
「りんごとみかんをください。ノートとペンをください。ラーメンと餃子をください」
そして次は新出単語を使ったレッスンです。まず、新出単語に「有名だ」を使ってみましょう。
「先生、ご指名いただき、ありがとうございます」
「では、第7課の(有名だ)を使って例文をつくります。皆さん、どうぞ聞いてください」
「京都の紅葉は有名です。香港の飲茶は有名です」
「以上です。先生、皆さん、どうもありがとうございました」
新出単語には「賑やかだ。静かだ。暇だ。好きだ。嫌いだ。きれいだ。簡単だ。元気だ。親切だ」などがあります。例えば、「賑やかだ」を使うと「この町は穏やかです。この通りは賑やかではありません」のようになります。
簡単な質疑応答のポイント
一人一人の質問に丁寧にお答えいただきました
最後に私が生徒と練習している100本ノックを簡単にご紹介して話を終えたいと思います。日本人は会話の相手が友達の場合と、年上の人の場合では言い方が変わります。
友達「大丈夫だよ」
年上「差し支えありません」
友達「わからない」
年上「不勉強で申し訳ありません」
友達「それで良いよ」
年上「異存はございません」
私が友達の言葉で言うと、生徒が年上の言葉で言います。話し方は友達にはリラックスして話します。年上が相手の場合は友達と違いリラックスした言い方ではありません。このように練習すると相手によって話し方を変えることができるようになりますので参考にしてください。
私に初めてできた中国語を話す友達は香港の人でした。1990年のことです。その子はまだ日本に来たばかりで、発音はあまりきれいとは言えませんでしたが、とても堂々と「私は日本人です。私の日本語ペラペラです」言いました。その時に私ははっとしました。大事なのは発音の美しさではなく、自信を持って話をすることだと思いました。皆さんも自信を持って日本語の勉強を頑張ってください。