2019年4月23日(火)
昼の座談会
【駐在員家庭のための保険に関する何でも相談室】
私は、香港在住14年でマニュライフの保険アドバイザーを12年間しています。今日は香港に駐在などでお越しの皆さまに、生活に役立つ保険の豆知識をクイズ形式でお話しさせていただきます。また、香港の保険は日本と違って投資という側面もあります。リターンの良いおすすめの商品を2つご紹介いたしますので、是非香港にいらっしゃる間に活用されるとよろしいかと思います。
ではまず初めに、ルール72というのをご存知ですか?答えは、お金が2倍に増える年数と利率を掛け合わせると常に72になるというものです。例えば、年利が1パーセントの場合には、お金が2倍になるのに72年かかります。HSBCの年利は今0,001パーセントですので2倍になるためには7万2,000年必要です。
次に、香港の保険の定義とは何でしょうか?答えは、香港では医療保険・がん保険・生命保険はもちろん、投資ファンドや定期預金のような性質のものも含めて保険と呼んでいます。では保険の定義とは何かといいますと、契約をするときに契約者・被保険者・受取人、この三つの要素を明記するようになっているものを総称して保険と呼びます。例えば株券や現金は、もしその持ち主が亡くなってしまうと、受取人が明記されていませんから遺産ということになるのですが、いわゆる香港で保険と呼ばれているものは、持ち主が亡くなったときに指定された人にすぐにお金が渡る、資産が渡るという仕組みになっています。
次に、生命保険や医療保険は、たばこを吸うか吸わないかで料率が変わってきます。もちろん吸わない人のほうが料率は安いのですが、たばこを吸わないという定義は何だと思いますか?
答えは、実は1年以上たばこを吸わないと、尿検査をしたときにニコチン反応が出なくなります。その状況を非喫煙と呼んでいます。
例えば、5,000万円の生命保険に入っていた場合に、その5,000万円の保障を8,000万円に増やす、あるいは3,000万円に減らすことは可能でしょうか?
答えは、死亡保障額の変更は減額のみ可能です。5,000万円を3,000万円に減らすことはできますが、増やす場合には増やす金額を新しくご加入いただくということになります。
答えは、男性です。その理由は男性の平均寿命は女性より短いためです。逆に医療保険やがん保険の場合は女性のほうが料率が高くなります。つまり女性は長生きではありますが、病気にはなりやすいと言えます。
Manulife (International) Limited
平原奈津子さん
答えは、50代の男性です。もしかすると年配の方は生命保険がまだ浸透していなかったのかもしれませんが、毎年50代男性が1位です。次いで2位は60代男性、3位は50代女性となっています。
次に、がん保険などの重病保険の請求が一番多い年代と性別はどこでしょうか?答えは、40代の女性です。次いで2位は50代女性、3位は50代男性となっています。私もちょうどそのさなかなので怖いなと思っています。
次に、香港の統計でがんのトップ7は男女それぞれ何でしょうか?答えは、まず男性の1位は日本では胃がんですが、香港では肺がんです。2位は大腸がん、3位は前立腺がん、4位は肝臓がん、5位は胃がん、6位は鼻のがん、7位は皮膚がんとなっています。
そして女性の1位は乳がんです。2位は大腸がん、3位は肺がん、4位は子宮がん、5位は甲状腺がん、6位は卵巣がん、7位は肝臓がんとなっています。
日本は香港より胃がんが上位となっていますが、おそらくバリウムを飲むのが良くないのではないかと思います。あれは良くありません。
海外旅行保険は、保険請求できる場面がいろいろありますが、保険請求のために取っておくと良いものは何でしょうか?
答えは、まずは、ボーディングチケットなど飛行機に搭乗した形跡のわかるものを取っておきましょう。それから外貨両替のレシートも取っておくと、たくさんは請求できませんが、現金がなくなった場合に請求できます。
海外旅行ではスーツケースのトラブルもけっこうありますね。もしスーツケースがターンテーブルから出てきたときに壊れていたら、すぐに航空会社にクレームを言いましょう。それ以外の場所で壊れたり、傷つけられたり、盗まれたときは写真を撮ってくと保険会社に請求できます。
もし、病気や怪我をしたときは、病院のレシートと交通費のレシートで請求できます。
物がなくなったりしたときは、どこからレポートを取りますか? 答えは、警察です。届ける際には第三者の証明書が必要になります。どういうことかというと、例えば、川下りのアクティビティに参加して、川にかばんや財布やカメラが落ちてしまったとすると、いくら自分で言ってもだめですから、主催した旅行会社などから一筆もらっておきます。
それからこれは、皆さんが保健請求を見逃していることが多いのですが、飛行機が5~6時間程度遅れると、会社にもよりますがキャッシュサポートが受けられます。そのときは、航空会社からの証明書が必要です。その場で発行されるということはまずないので、あとからeメールで送ってもらったりするのですが、遅れを証明するレターに搭乗者名、遅延理由、遅延時間を明記したレポートがあれば保険請求できます。金額は5時間遅れると確か250~500ドル程度だったと思います。例えば、10時間以上遅れると家族4人で2,000ドル以上になることもありますから結構な金額になります。
わかりやすく説明してくださいました
日本の保険は保障という部分では、とても安心だと思います。例えば学資保険は、お父さんが死亡されたり怪我をされたときに学費がサポートされるなど、有事のときの保障はすごく厚くて安心だと思います。ただ、日本の保険はお金を増やすという意味ではあまり増えません。香港の保険は、お金を増やすためのツールとしてとても優れています。保険会社は、お預かりした保険料を運用して増やしていきますが、日本と香港では大きな違いがあります。日本では政府の規制で自由な投資活動ができません。主に日本国内で投資をしなくてはいけなくて、自由に海外で投資ができませんから増やすことが難しいです。でも、香港にはそういった規制がありませんから好きなように運用できます。その結果高いリターンも生み出せます。ですから、日本は保障が強い、香港はお金を増やすのが強いという違いがあります。
皆さんにおすすめのプランが2つあります。まず一つ目は、一括払いでマニュライフに貯金すると、例えば、一番利率が高いもので1万ドルお預かりしますと、7年で1万2,000ドルに増えます。16年経つと2倍になる予想です。これはマニュライフが倒産したりしない限り保障されています。
もう一つは、インカムファンドといって、お金をお預かりした翌月から毎月配当が出るものがあります。例えば、100万円お預かりしますと、翌月から7,000円の配当がもらえます。1年間で8パーセント以上のリターンということになります。この2つは弊社の人気商品です。
こういう保険は、IDカードを持っていて香港に住所がある間しか申し込めません。日本に住んでいる日本人の方は、日本マニュライフを利用してくださいという決まりがありますので、香港に住んでいる今のうちに是非ご活用されるとよろしいと思います。夜の講演会・交流会
【日本で働く!(ワーキングホリデー編)】
皆さんこんにちは。領事館の海老原です。本日はワーキングホリデーについて、簡単にお話ししたいと思います。特に申請方法や制度、日本に滞在される際の注意点、気を付けたほうが良いポイントなどについてお話出来たらと思います
まず、ワーキングホリデーは、一定の条件を満たす香港居住の若い人たちに対して、日本の文化や一般的な生活を理解する機会を提供するため、最長1年間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費・旅行資金を補うための就労を認める制度です。2016年10月に250名からスタートして、現在では1、500名の枠があります。申請手続きは査証センターで受け付けています。査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下に限られます。
ワーキングホリデーとはいえ、ある程度のお金がないと日本での生活が厳しいため、滞在当初の生活費を確認のためにバンクステートメント等の提出を求めています。
ワーキングホリデーの期間終了後は、必ず香港に帰ってきてください。そうしないと不法滞在になり、逮捕される場合もありますので、気をつけて下さい。また、保険に入っていないと日本での滞在中に病気になった場合など大変なことになりますので、保険も忘れずに必ず加入してください。
2019年の第一期の申請も始めています。4月1日~4月30日までが申請期間で、発表は6月4日です。第二期は10月2日~10月31日の申請受付となります。
申請時に必要な主なものは、申請書・パスポート・理由書となります。申請書に貼付する証明写真は、4.5cm×4.5cmの6ヶ月以内に撮影したものを使ってください。中には斜めに写った写真やお気に入りの古い写真を提示する方がおりますが、皆さんはやめてください。
それから、理由書には皆さんのワーキングホリデーに対する気持ちをぶつけていただければと思います。なぜワーキングホリデーで日本に行きたいのか、日本でやりたいことや行ってみたい場所、活動したい内容などを書いてほしいと思います。
在香港日本国総領事館
海老原さん
領事館のホームページにもワーキングホリデーについて記載しております。文字が小さく見えづらいところがあるかもしれませんが、日本語、中国語、英語で案内しておりますので、自分の得意な言語でご覧いただければと思います。本日お話しできなかった細かい部分の説明も載せてありますので、申請される際には是非確認してみてください。
領事館で審査をする際に、皆さんの資料が不足していると二度手間、三度手間になりますので、申請に必要なものを順番にそろえていただいて、足りないものがないかよく確認してから申請してください。そうすれば、第一印象がかなり良くなるので審査が通りやすくなると思います。
また、日本滞在中に気をつけて欲しいことは、日本や香港、世界中どこでも言えることですが、日本にも悪い人はいます。仕事先を選ぶ際には特に気を付けてください。安易に良さそうな話に飛びつかず、警戒心を持って相手に接してください。
もう一つ、ワーキングホリデーでは、バー、スナック、キャバレー等の風俗営業店での就労は認められていません。それらの店で働くと捕まってしまったり、もしくは強制送還される対象となりますので気をつけてください。
ワーキングホリデーに興味のある方々が
集まってくださいました
ワーキングホリデーの期間は1年間ありますので、途中で香港に戻りたくなる場合もあるかもしれません。その場合は、出入国在留管理局に申請して一時帰国することができます。また、日本入国時に、空港で在留カードをもらえるケースと日本で住所を登録してからその住所宛に在留カードが送られてくるケースがあります。その在留カードとパスポートがあれば、出入国在留管理局に都度申請をしなくても、香港と日本を行ったり来たりすることが可能です。帰国中も期間が延長されるわけではありませんが、ワーキングホリデーを継続することができます。
最後になりますが、ワーキングホリデーを利用して香港から日本に行かれる方は、年間で700~800名ほどいます。実際の枠数は1、500名分ありますので、まだまだ余裕があります。皆さんも是非この制度を利用して日本へ行っていただきたいと思います。
そして、せっかくのワーキングホリデーなので、ワーキングだけではなく、ホリデーの部分でも日本をたくさん楽しんでください。日本の文化、食文化も含めて体験していただき、最終的に香港に戻られる際には日本を好きになってほしいなと思っています。そこが一番領事館として皆さんに期待したい部分です。
日本のアルバイト事情
日本の家賃
私はイギリスの大学を卒業していったん香港に帰国してから、日本のワーキングホリデーに申請しました。第一期の申請でしたので、日本大使館で行われた記者会見にも参加しました。私は当時あまりお金がありませんでしたので、なるべくお金がかからないように工夫しながらの生活でした。今日は私が日本で経験したアルバイトの探し方や生活のこと、それからお金を節約する方法などについてお話ししたいと思います。
まず、アルバイトの仕事を探すには、駅にある無料の雑誌から探す方法とハローワークのインターネットサービスを利用する方法があります。日本語が話せない方は、給料は少ないですが、国際プロジェクトを利用すると良いと思います。内容はいろいろありますが、例えば北海道の農場で働くような仕事です。
日本語が話せる方は、『ムーブ』というサービスに登録するとIT関係の仕事や、給料の高い大手会計事務所の仕事もあります。広東語と少し日本語が話せる方は、香港との貿易の仕事ができます。
日本語が得意な方は、吉野家やコンビニ、薬局などの飲食店や小売店の仕事がたくさんあります。これらのアルバイトは7割が外国人だそうです。夜のシフトもありますが、一人での対応となることがあります。広東語と英語も上手に話せる方は、言語教師の仕事があります。
私は新宿西口のホテルサンルートで働きました。仕事の内容は、チェックインや翻訳の仕事などいろいろでした。時間帯はナイトシフトで午後4時から翌朝8時までの16時間、2日続けての勤務です。日本では午後8時~午前0時まで手当があって、その間は時給が25%アップでした。給料は16時間で13,800円、1ヶ月では187,200円です。その他に食事代として食品券と交通費がもらえました。
東京の家賃相場ですが、23区内のアパートの平均で月におよそ7万2,000円です。札幌だと東京の半額ぐらいです。東京は家賃がとても高いので、私は郊外の安いところを探して住みました。私が住んでいたのは、八王子市にあるアパートで家賃は月に1万9,000円です。23区内と違って郊外なので景色がきれいで、何より家賃が格安なので助かりました。
住むところを探すといろいろなものがありました。アパートの他に、外国人向けハウスやシェアハウス、古い一戸建てもありました。この一戸建てに、私は興味があって部屋を見に行きました。すると畳の一部に黒い染みがあったので不動産屋さんに聞いたところ、2ヶ月前におじいさんがここで死んでいたと教えてくれました。
日本の法律では、部屋で人が亡くなった場合は教えることになっています。正直に教えてくれたのは良かったのですが、契約はしませんでした。
私は3.11の地震を経験しました。地震のときは部屋で寝ていましたが、冷蔵庫や室内に置いてあったものが全部倒れるほどのものすごい揺れでした。地震のときは机の下に入ると聞いていましたが、机がなかったので、すぐに3階の部屋から出て1階まで走ると、周りに住んでいた方たちもみんな外へ出ていました。
旅行には安い切符で行くとお金が節約できます。青春18きっぷを使うと1万1,500円で5日間、JRに自由に乗り降りできます。新幹線には乗れませんが、それでも1日で東は秋田ぐらいまで、西は小倉ぐらいまで行くことができます。時間はかかりますが、新幹線の料金と比べたらかなり格安です。
格安旅行の休憩場所に利用できるのがネットカフェです。1,500円ぐらいで10時間ほど使えます。ドリンクも飲み放題で、ちょっと休憩したり夜寝る場所としてもおすすめです。工夫するとお金がなくてもいろいろな場所へ行けますので、皆さんも是非たくさん旅行に行かれると良いと思います。
エミーさんの発表私は香港から日本へのワーキングホリデー制度が始まってすぐに利用しました。滞在中に3.11の地震があったので、残念ながら計画より早く帰国することになりましたが、日本で半年間生活しました。
今日は私が日本で経験したことを、これからワーキングホリデーを検討されている皆さんにお話しできて光栄です。
どうぞよろしくお願いします。
私がワーキングホリデーを利用したのは、香港から日本への制度が始まったばかりでしたので、利用できる人数も250名と少なく、かなり審査も厳しかったです。今は利用できる人数が増えて1,500名になりましたので、皆さんはすごく幸せだと思います。
申請の許可をいただいてからは、あまり時間に余裕がなくて、短期間で東京へ行くことになりました。アパートはインターネットで探しましたが、たまたま九州から一人で東京に来ていた日本人の女性とシェアして一緒に住むことになりました。部屋はそれぞれ個室があって、キッチンやリビングルームなどは共用です。
私は初めて他人と一緒に生活しましたが、日本人は香港人と違ってとても几帳面で、整理整頓もしっかりしていました。家事はほとんど彼女がやってくれて、日本の環境のことや生活習慣なども彼女に教えてもらえたのでとても勉強になりました。お互いに仕事が見つかってからは、一緒にいる時間が少なくなりましたが、日本に着いたばかりで慣れないうちは、彼女がいてくれたので本当に助かりました。
3.11の地震のときは、自宅のアパートにいました。香港人の皆さんは、ほとんど地震を経験したことがないと思いますが、日本では地震がよくありますので、もし東京で生活することになったら、池袋の『池袋防災館』に行ってみると良いと思います。
池袋防災館では、実際にあった大きな地震の揺れを体験することができますので、体験しておけば本当の地震のときにそれほど驚かないで済むと思います。それから地震があったときにどうすればいいか、アドバイスや注意事項もいろいろ教えてくれます。例えば、地震のときは安全のために、すぐに机の下に入ったほうが良いことや、外出するときはガスの元栓を閉めるなどのアドバイスがもらえます。
仕事はエージェントを利用しないで地下鉄の駅にあった無料の雑誌で見つけました。
駅にはたくさん仕事が載っている無料の雑誌がいろいろ置いてあって自由に持ち帰れます。その雑誌でチェックした仕事に応募したらすぐに採用が決まりました。事務の仕事で、主な内容はデータのチェックでした。
香港と違って日本人の方は、規律や時間をきちんと守ります。仕事中の休憩時間も指定されていて、午前と午後に10分ぐらいで時間も決まっています。また、仕事に入るときと終わるときには、カードに時間を記録するようになっています。
仕事以外の話では、私は漫画が大好きなので、時間のあるときは秋葉原や池袋へ漫画を読みに行ったり、カラオケへ行ったりしました。カラオケは、1ヶ月に6回行ったのが、私の中での最高記録です。カラオケは日本語を覚えるのに良いと思います。私の日本語の能力は、日本に着いたころは4級でしたが、何回もカラオケで歌ったおかげですごく上達しました。
日本語の練習には、区役所に外国人向けの日本語教室がありますので参加すると良いと思います。日本語教室は無料で、いろいろな国から日本に来ている外国人が参加しています。私はワーキングホリデーで来ていたフランス人の友達ができました。
ワーキングホリデーの半年間は、観光で行く旅行とは随分違って、とても勉強になりました。日本の歴史や文化の他、日本に興味のある方は、是非若いうちにワーキングホリデーを利用して日本でゆっくり生活してみると良いと思います。