過去のイベント開催レポート「毎月22日 いいジョブの日」

2019年1月22日(金)

昼の座談会
【香港在住16年の生活と育児から学んだ事】

香港在住16年の生活と育児から学んだ事

もともとは大学で言語習得について専門の勉強をしていました。幼稚園の先生もしていたことがありますが、幼稚園の先生の資格があるわけではなくて言語教育として関わっていました。私の6人の子どもは、上から22歳、19歳、16歳、14歳、12歳、9歳です。上の子をうまく育てて、上の子に下の子をうまく教えさせるのが一番いいかなと思っています。

お兄ちゃんにある程度権限みたいなものを与えてあげて、その代わりお兄ちゃんが我慢しないといけないときは、可哀そうですけど、ちょっと我慢してもらって、あとから「お兄ちゃんよくやってるね」と褒めてあげる。ご褒美をあげるというよりも「あなたがいるから本当に助かってるよ」という感じです。

私自身も6人兄妹で育ったのですけれども、大人になったある日、兄妹で会話をしていたら、みんな自分が親の一番のお気に入りだと思っていたのです。それって大切なのかなと思いました。「いや違うよ、私だよ!」って兄妹みんな自分が一番かわいがられていたと思っていました(笑)

私も子育ての目標としては、いい子ども時代を過ごしたなと、大人になってから思えるような生活をさせてあげられたらいいなと思っています。大人になって良かったなと思うのは、多分、楽しかったことよりも達成したことや、スポーツなり、音楽なり、何かを一生懸命やったことだと思います。

バランスというのは大切だと思います。子どもは1人ひとり違っていて、特に上の子は親の目が届いているからお利口さんに育つケースが多いと思います。でも、ティーンエイジャーになると反発が出るのは、小さいころに言うことを聞いていた子のほうかなと思います。

2番目はもう自由奔放にやってますけど、良いところを見て、いつも目にかけてあげるっていうのが大切だと思いますね。やらなきゃいけないことの目標と、その目標を達成できたときには何をしたいか、達成できなかったときには何をするか、自分で決めさせるんですね。

10代になってくると、親の言うことは聞かなくなってきますが、自分が決めたことなので、それに関しては厳しかったですね。私から見たら「何でそんな簡単なこと?」と思っても何も言わない。そこは頑張りました(笑)

だんだん自分でも分かるんですよ。達成の喜びを得てくると、目標が高くなったり、目標が達成できなかったときに「じゃあどうしようか」という力がついてきます。今、進学校に行っている娘も赤点が並んだときに、思わず言ったんですね「これじゃあ、もう戻ってきたら?」と。

講師の戴 直美さん
講師の戴 直美さん

娘は「ここで終わったら挫折になってしまうので自分は残る」と、自分なりにプランを立てて頑張っています。でも、月に1度は身体が動かなくなって学校に行けなくなるんですよ。あまりにも頑張りすぎて。許容範囲をかなり超えているんですね。体を壊したらどうしようもないと悩んだんですけど、本人に任せるしかないと見守りました。

10ヶ月ぐらい経って、何となく自分でやり方が分かってきたのかなというところになっています。今回、学んだんですけど、もっと長いスパンで子どもの成長を見なくちゃいけないと。目標を定めたら親はフォローアップに徹して、結果よりもそこに至るまでのプロセスで厳しくするのがいいのかなと思います。

4番目は、「B+」とかもらっちゃうと「もういいわ!」っていう感じでした。そこから「A」に持っていく努力をさせるためには何をさせるかと考えて、その子は食べることが好きだったので「もし、食べている途中でやめて、もっとおいしいものが食べられなかったら?」という話しをしたら「絶対食べたい!」と言うので、これも同じことなので「先生にテストのリテイクができるか話してごらん」と勧めました。

インターの高校や中学は、書き直しがきくんですよ。ローカルは、書き直しはきかなくても違う面があると思います。学ぶ意欲を見せるというのはすごくプラスになります。インターはカレッジエッセイなどにレコメンデーションを書いてもらわなければいけないので、頻繁に行っている先生がいると、その子のことをよく見てくれるので、良いレコメンデーションを書いてくれるというのはあります。

1番上の子ですけど、高校1年生のときに「F」のグレードが付いたんです。なぜかというと、ほかのグループの人と話しをせずに、自分で全部仕事をしてしまったからということでした。主人は子供になぜ”F”だったのかを先生に聞きに行く努力をしなかった事を怒りました。

でも、人間の社会で誤解はあることだから、今、それを克服したほうがいいということで練習したんですね、先生に何て言うか。そうしたら先生が理解してくれて、1年が終わるころには「A」になりました。結果よりもどういう対処をすればいいのか、学んだことのほうが大きかったなと思います。人生をサバイブして行くためのスキルを身に付けさせるために、何か問題があったときに取り組むといいのかなと思います。

成績向上という話ですけど、これがあったら成績向上できるという方法があれば、誰も苦労しないというか、6人いたらみんな違いますね。でも、遅咲きの子は絶対にいますので、親があきらめなければ子どもは成長し続けると思います。小学校のときにすごくできた子が、ずっとそのまま行くかというと、なかなかそうは行きません。

うちは従兄妹がすごく賢い子で、2人とも東大を出て、ハーバードで博士号取るというタイプです。何が違うのかなと考えたら、興味のあることは、何があっても集中してやるんですね。集中力を養うことはすごく大切だと思います。

そのおばが言っていたことは「数学だけは教わるのを待たないで、全部早く教えなさい」ということでした。計算を教えるときには、足し算も、引き算も、掛け算も、割り算も、全部一緒にということです。「数学は概念が分かればできるから、小さくても分からないと思わないで進めたほうがいいよ」といつも言っていました。良い学校を狙う場合は、特に数学は強いほうがいいのでお薦めです。

英語のエッセイとかは、話題があればあるほど良いので、小さいころからいろんな経験をさせるのが大切だと思います。チャリティなどのイベントが香港にはいっぱいあります。そういう経験は日本ではできないけど、香港ならできると思います。

最後にもう一つお薦めなのは、YIS、「ヤングインベスターズソサエティ」というものです。あまり知られていませんが、アメリカではすごくはやっています。投資が教育プログラムになっていて、どういうふうに、どんなところに投資をするか、それをどういうふうに決めるかというのを子どもに教えます。将来履歴書に書くのに良いと思います。香港ではいろんなオプションがあります。そういうものから実践的なことが学べると思います。

香港での生活の様子をお話して下さいました
香港での生活の様子をお話して下さいました

夜の講演会・交流会
【世界三大金融センターである香港の金融業界で働くということ】

世界三大金融センターである香港の金融業界で働くということ

バーチャルバンクというのをご存知ですか。店舗を持たないでサイバーな空間だけで銀行業をやっていく銀行です。香港はこの2~3ヶ月の間に、いくつか特別なバーチャルバンク向けのライセンスを下ろすと言っています。支店を持たないということと、FinTechを駆使した新しいコンセプトを持つという、これしか定義がないんです。

そしてもう1つ違うことがあるんですが、バンキングのバックグラウンドがなくても、銀行のライセンスを与えるということが画期的ですね。どんな人が入ってくるか分かりませんけど、例えばQRコード決済、彼らは実際に銀行に近い業務をやっていますが、それを香港で正式に銀行として認めてやろうということかもしれません。

皆さんブロックチェーンは聞かれたことありますか。ブロックチェーンは、データ保有の仕方が全然違うんです。銀行はホストコンピュータを置いて、そこに全部データを集めています。ブロックチェーンというのは、いろんなところにデータが同時に存在します。偽造しても他にあるもので検証されてしまうので分かってしまいます。偽造しにくいのです。

ブロックチェーンはまだ先の技術と、一昨年ぐらいまで考えられていたんですが、香港MAが、実はブロックチェーンを活用したプラットフォームを作っています。例えば、貿易金融というのは、物を船に積んで代金を回収します。そこには信用が絡んだり、保険が絡んだり、インボイスが出たり、受取証が出たりしますが全部紙なんですね。でも、1つ1つのトリガーが次の行動を呼んで行く。まさにチェーンですね。

香港とシンガポールが一緒になって、すでにもうリリースしています。香港の大所の銀行が全部入っていますから、香港が絡むような貿易はほとんど入っているはずです。今はそのうちの一部、シンガポールとの資金決済や貿易決済、こういったことをもうブロックチェーンを活用したプラットフォームに乗せています。日本にも入りませんかって言ったらしいんですけど「いやいや」という感じらしいです(笑)

ブロックチェーンは金融だけじゃないですからね。例えば食品のトレースとかにも多分使われるでしょう。トレースされたデータをブロックチェーンの技術を使って保存しておけば、みんな見れるかもしれません。そういう世界がやがて来るんですけど金融の世界では結構入ってきている。香港というのは、すごく新しいものを取り入れる。香港はアジアで一番の金融センターだと言われるゆえんだと思いますけれども、逆にそうしないと生き残っていけないという意識が非常に強いんだと思います。

イノベーションとはどういうことかというと、決済という分野だけの例で言いますと、160年前に金や銀の代わりに今の紙幣を使うようになりました。70年前にクレジットカードができました。ATMによって銀行の店頭が大きく変わりました。そして20年前にICカードができて、それを乗り換えるようなかたちで、スマートフォンで決済するというのも出てきました。一気に変化してきています。

FinTechのABCDはご存知ですか。AはAI、Bはブロックチェーン、Cはクラウド、あとはビッグデータですね。AIはすでにいろんなところで使われています。そして、信用スコアリングですね。人に数字を付けてそれをあらゆる人に広げていくという、中国では結構行われています。最近では企業の財務諸表というのもあっという間に審査ができてしまいます。われわれは、投資の助言というのがメインのビジネスですけど、AIでやったほうが、よりバランスの取れたものができる。こういうのがAIです。

銀行のシステムセンターを見たことがありますか。ホストコンピュータが置いてあるビルは要塞のようです。窓がないような。それはなぜかというと流出とか、紛失とか、盗難防止のためですね。世界中の銀行というのは基本的にこれで作られています。銀行のシステム部門の人はすごく多いんですね。何万人といたりします。そういったとこにもメスが入るんだと思います。

考え方を変えると、今はクラウドのほうが安全だという技術はできているんですね。私が銀行を作ったとき、3年ほど前ですけども、香港MAに行って「クラウドサービスを使っていいですか?」と聞いたら、「そんな危ないことはやらせません!」と突っぱねられた。最近になって香港MAは「クラウドいいよ」と、それぐらい考え方が変わってきた。セキュリティのレベルも、考え方も変わってきています。

ビッグデータはマーケティングなどで使うようになっています。逆に言うと、銀行にデータを握られるのは気持ち悪いと思う人もたくさんいるんですね。そこでブロックチェーンという考え方も強まってきています。今、変わっていく過程にあるということです。

FinTechというのは何が重要かと言うと、30年前のエクスチェンジセンターには人がたくさんいました。今はガードマンしかいません。時々上場のセレモニーをやるぐらいです。あとはモニターしかありません。僕が最初に入ったのは、シティバンクというところですけど、そこでトレーディングをやっていました。30年前です。

トレーディングフロアは巨大で、フットボールフィールドと言われていました。そこにトレーディングをやっている人が400人いましたが、今は10分の1ぐらいです。AIを使ってトレーディングをしているので、本当に人がいなくなった。こういう方向なんでしょうね。

しかし、これが本当に役に立つのか、安全なのか、そういったことはよく見ていかないといけないと思っています。発想を変えて金融業というものを考え直していかなければならない時代に入ったんだなということを強く感じています。

IPOというのは、証券取引所に上場するということです。市場から資金調達ができて、銀行や証券会社が介在するので信頼度や安心度が高い一方で、膨大な時間がかかります。香港でも少なくとも2年ぐらいはかかりますね。東証だともっとかかります。

ICOというのは「イニシャル・コイン・オファリング」といいます。みなさん仮想通貨とかクリプトカレンシーというと怪しいものと思われるかもしれません。客観的な審査はありません。誰かが急にコインを売り出すという話です。なので、安全性についてはどうかなというところがあります。良いのは新しい企業や発想を持った人が「お金を集めたい」「それ面白いからお金出してもいいよ」そういう感覚でお金が集まったりします。

未整備の市場ですけれども、これからはICOというのがそんなに怪しくないレベルになっていく可能性があると思います。そういった発想を持って見ていかないと取り残されてしまうのかなと思います。香港の金融業界で働くというのは、自分のキャリアを考えるうえでもパラダイムを変えるというか、軸を変えるぐらいの発想を持ってほしいなと思います。

最後にわれわれは今、何をやっているかをご紹介します。イーサリアムはご存知ですか。イーサリアムというのは、ブロックチェーンのプラットフォームです。このイーサリアムの技術をベースにして、ブロックチェーンの技術開発をやっている企業がアメリカにあります。この人たちがアジアに来るとき一緒にやろうということになりました。

クリプトカレンシーを買われたことあるでしょうか。プライベートキーがありますね。キーの管理って不安じゃないですか。デバイスに入れて失くしたら怖いですよね。取引所のセキュリティレベルもあまり高くありません。僕らはキーだけ取引所ではなくて、サイバーな銀行の貸金庫に預けますというようなことを考えています。もしかして、世界で初めてやる金融機関になったら世界中から人が来るかもしれないですね(笑)

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