過去のイベント開催レポート「毎月22日 いいジョブの日」

2018年11月22日(木)

昼の座談会
【駐在員の奥様必見!日本で再就職するために限られた時間でできる
香港でのキャリアアップ】

駐在員の奥様必見!日本で再就職するために限られた時間でできる香港でのキャリアアップ

大学卒業直前に学生結婚して15歳と12歳の2人の母をやっています。現在の仕事は金融関係。学生時代に1年間香港に留学した経験があります。機会があって2011年から香港にいます。2人目の息子が障害を持って生まれたので、東京での子育てがすごく大変でした。その経験をもとに共働きのコツなどを普段は大学生や高校生に講演しています。

今回は内容を変えて、香港にいらっしゃる方々にどういうキャリアアップができるかなどをお話しします。幸せ度のグラフを作ってみたのですが、東京時代がすごく大変で、香港に来てからぐっと上がりました。香港生活はすごく良いと思うので、どうやって楽しむかということもお話しします。

私はお手伝いさんやヘルパーさんが当たり前というのが、香港の温かいところだと思っています。香港留学時代に見た、女性がスターバックスのカップを持って、ヒールでカツカツ歩いていて、逆にお父さんが子供を送り迎えしている姿が新鮮で、私もああいうふうになりたいなと思いながら就職活動をした結果、香港に来ました(笑)「みんな同じじゃなくていい」という個人主義も香港ならではだと思います。

香港にいる間、ヘルパーは活用していただきたい制度だと思います。コストも安いです。採用のコツは大柄じゃないこと。なぜかというと色々な自己管理ができない可能性が多い(笑)でも、あまり若かすぎたり、細すぎたりするのもよくない(笑)30代後半~40代で、家庭もきちんとしている方を20~40人書類選考して、会うのは10人ぐらいです。中国系の家庭に勤められたことのある方というのもポイントです。欧米の方は自由なので、慣れていると日本の家庭のやり方になじまないケースが多いようです。私が在宅勤務の場合は「遅めに仕事を始めてね」とギブアンドテイクでやっています。まず、ヘルパーさんを確保することで、自分のスキルを活かせる時間を作ることが第一です。

楽しい香港の過ごし方として、香港のガイドブックを網羅するというのも面白いと思うのですが、自分の専門分野を1つ極めてみると面白いと思います。ネットワークも広がります。私は集英社のMarisol(マリソル)という雑誌で、公式ブロガーとして私の大好きな香港のオススメのカフェやバーの情報を載せています。そこからフォロワーさんが増えたり、知り合いが増えてネットワークが広がり、講演の依頼や香港に関しての取材が来たりするんです。こういった専門分野を突き詰めるのも意外と仕事につながったりするんだと思います。

キャリアアップに関して、ご自分の興味のあることがキーだと思っているのですが、リストアップしてまとめてみる作業も有意義だと思います。ママボノというNPOを支える活動がありますが、いろいろなママさんがいらっしゃるので面白いと思います。いくつか香港にもあります。

講師の口西 まりさん
講師の口西 まりさん

今、どういうことをやるのが良いのかというと、私は語学が1番基本だと思っています。高校のときに帰国子女や外国人と一緒の学校に通って、自分との差をすごく感じたので英語を勉強しました。大学のときにはTOEICは990点ぐらいでした。今は中国語をやっています。お薦めはCUHK(中文大学)の語学科の科目専攻で1年間通いました。今の中国語のレベルもそのおかげです。

あとはMBAもオススメです。私は週末MBAを取ったのですが、フルタイムMBAだと1年半で取れると思います。香港大学もありますし、香港USTも有名です。帰国してから武器になると思います。香港は60~70%が中国籍の方で、オランダやイギリスの方もいるので、スピード感も違うし言葉もうまく通じないながらもチームワークで勉強した経験が良かったと思っています。

HKU SPACEを活用する方法もあって、キャリアコンサルタントの科目で大学の講座を取っている方がいたり、漢方の科目を取っている方もすごく多いです。仕事につながる興味分野の発掘に役立つと思います。

あとは、転職の合間に日本の通信講座で整理整頓アドバイザーやジュニアアスリートフードマイスターなどの資格も取りました。うちの息子がチェルシーのユースに入っていますので、アスリートの食事について勉強したのは有意義でした。資格は、それに至る時間の活用や管理の方法など、面接でアピールできることがたくさんあると思います。

ソフトスキルについては「苦手分野を克服するより得意分野を伸ばすほうが手っ取り早い」というのをキャリアフォーラムなどで聞くのですが、自分の得意分野、頑張ってきたこと、やり遂げたことなどを書いてみて、自分のためだけのアピール満載の分析をやってみるのもキャリア構築の上で使えると思います。

今キャリアブレイクをしている方は、仕事で好きだったこと、やってみたいこと、頑張ったこと、得意だったこと、苦手なこと、やりたくないことを洗い直して、どういう環境が進みたい環境なのかを考えてみるのが大事だと思います。これを自分の中ではっきりさせることは、次に就職活動をするときのキーになると思います。

私は自己分析がすごく大事だと思っています。どういう仕事がやりたいかを考える上で、ストーリーが大事だと思うのです。10年後や5年後にどういう姿になっていたいかをイメージして、そこに辿り着くためには何をしなければいけないのか、もう少し短いスパンでは何をしなければいけないのか、だから今月は何をしなければいけないと、だんだん組み立てていきます。そうすると今やらなければいけないことが見えてくると思います。

基本的に女性のキャリアはいろいろなところで選択を迫られると思いますので、できるだけオプションを残していくのが大事です。私はあと3年ぐらいで日本に帰ろうと思っています。今の会社に残るか、それとも転職するかというオプションはあるのですが、同じ会社で今の仕事を日本でやるとアジアという範囲から国単位の範囲にランクが下がってしまいます。そうならないためには、どうしたら良いかと考えていって、他の仕事をやってみようかと動いたりしています。

和やかな座談会でした
和やかな座談会でした

香港は女性が仕事をすることに理解がある土壌なので、いろいろなところにチャンスはあると思います。例えばパリでは駐在員の奥さんで家事代行をしている人が結構いて、日本食が作れるシェフとしてフリーランスで仕事をされているそうです。単身で駐在している方で日本のお惣菜を食べたいという人の需要がありますので、私の友人は金曜日に3~4品目作り置きするような仕事を始め、ご自分のスキルを活用しています。

子育てに関してのコツとしては、東京にいたときに、フルタイムの専業主婦の方の子育てには負けないように育てようと思っていました。子供が小さいころは、私はよくいるアジアの教育ママという感じで、くもんを1歳ごろからやらせていました。この習慣づけは本当に良かったです。朝ご飯前に宿題をするということが染みついて、学校から忘れ物が多いなど、そういうことを言われることがなくて楽でした。

学校に関しては、お子様はできればインターにと思っています。なぜかというと自分が英語で苦労したからです。子供はすごく柔軟なのでインターでもすぐ馴染みます。ママネットワークで海外の方ともつながれますし、子育てのやり方が全然違うので面白いです。そういう経験を本にしている方もいらっしゃいます。インターに行った子供から学ぶこともあるのでそれも面白いと思っています。

子供が小学生の頃はエピスという塾に入れました。下の子は4歳から香港に来たのですが、ひらがなもできていたので、1年生のクラスに年中で入れてもらいました。そのおかげで小学校の中学年になったころからは学校の勉強は親がノータッチで、大丈夫でした。まあ、お母さんに聞いても分からないと思われていたのかも知れないですけど(笑)

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