過去のイベント開催レポート「毎月22日 いいジョブの日」

2018年10月22日(月)

昼の座談会
【ヘルパーさんとのより良い関係づくりのために知っておきたい5つのこと】

ヘルパーさんとのより良い関係づくりのために知っておきたい5つのこと

初めまして。海外に住む日本人ママの英語のお悩みを解消する専門家、ストレッチイングリッシュの森 史香と申します。本日はe-Job Agency主催の昼の座談会にご参加いただきありがとうございます。
今日は「ヘルパーさんとのより良い関係づくりのために知っておきたい5つのこと」と題して30分ほどお話しさせていただきます。

本日は一緒にお話しする予定でしたNGO Upliftersのマリオンさんが事情により参加できなくなりました。3回ほどヘルパーさんとの英語コミュニケーションについて、マリオンさんとワークショップを開催したことがあります。
今日は代わりに私がそのとき感じた役立つ情報を5つシェアさせていただこうと思います。

みなさんが、今日から活かせるようなお話しをしたいと思います。私もヘルパーさんをこの17年間雇ってきましたので、その経験も織り交ぜてお話しします。

【ポイント1】香港はヘルパーさんにとってどんなところ?

外国人ヘルパーさんにとって、香港はとても働きやすく同時に働きづらい国です。香港に住む外国人ヘルパーさんの中で、一番人口が多いのはどこの国の出身者だと思いますか?54%がフィリピンです。働きやすい理由としてフィリピン出身の方を例にすると、地理的に近いこと、経済的に本国よりも多く稼げること、大都市に住むことでさまざま体験ができることが挙げられます。

香港は世界で何番目にヘルパーさんの労働時間が長いかご存知ですか?実は香港が一番ヘルパーさんにとって労働時間が長いのです。週平均50時間です。2位のインドは7時間少ない43時間ですので、ほぼ1日分違います。香港はヘルパーさんの労働時間に対する基準がないのです。雇い主によって全く労働環境も違います。これが働きづらい理由になっています。

講師の森 史香さん
講師の森 史香さん

【ポイント2】ヘルパーさんが抱えるプレッシャーとは?

フィリピンからヘルパーとして出稼ぎに来る方は、どのくらいの紹介料を斡旋会社に支払っているかご存知ですか?およそ給料の3ヶ月~6ヶ月分です。香港で働き始めて最初の3ヶ月~6ヶ月は紹介料のローン返済のために働くことになります。

もし途中で解雇された場合、フィリピンに戻りもう一度斡旋会社に紹介料を払ってエンプロイヤーを探すことになります。ということは前回の契約のために借りた紹介料のローンが2倍になってしまうということです。

また、家族を支えるために送金もしなくてはなりません。そういうヘルパーさんの経済的、精神的な背景を理解している方と、していない方ではヘルパーさんに対する接し方が全く違ってきます。

【ポイント3】ヘルパーさんとうまくいっているエンプロイヤーの特徴

うまくいっているエンプロイヤーの方はどんな方だと思いますか?ずばり「理解ある上司的な方」といえるようです。家族でも友達でもないけれど、赤の他人でもない。良い距離感を保った存在です。マリオンさんがおっしゃるには、ヘルパーさんやそのご家族について多少なりとも関心を持っているかどうかだそうです。

関心がないエンプロイヤーさんの場合は、ヘルパーさんが孤独感を感じてしまうことがあるそうです。自分の国に家族を残して出稼ぎに来ていますので、やはり家族の暖かさを少しでも感じてもらえれば精神の安定にも繋がるということですね。逆に友達のような関係になると問題が起きた時に話しづらくなるようです。適度な距離感を保つことがヘルパーさんとうまくいく秘訣の1つだそうです。

【ポイント4】日本人エンプロイヤーが気をつけたいポイント

日本人のエンプロイヤーはトラブルなどがあっても、はっきり話さないことが多く、不満がたまって状況が悪化することがあるそうです。ためずに言葉を選びながら、しっかり伝えることが大切です。異文化ですので「言わなくてもわかるだろう」「常識で考えて欲しい」と思っても伝わりません。

ヘルパーさんに感謝の気持ちを持って、自分だったらどんなふうにアプローチされたいかを考えて、しっかり伝えることでより良い働きをしてくれるようになります。

【ポイント5】ヘルパーさんのスキルアップをサポートする方法 ~ファイナンシャルリテラシー(お金の知識)~

お金のトラブルに巻き込まれたヘルパーさんをご存知の方はいらっしゃいますか?Upliftersではヘルパーさんのために無料で3週間のファイナンシャルリテラシー・オンラインコースを開催しています。インターネットでお金の管理についての知識が得られます。Facebookのページから申し込めるそうです。自分のペースで参加できますので、ぜひヘルパーさんに紹介してあげてください。

参加費は無料で、運営費は全て寄付金でまかなわれています。よろしければ寄付を募っておりますのでサポートしてあげてください。

さまざまな方法でよりよい関係をつくっていただければと思います。
なお、ストレッチイングリッシュではヘルパーさんとの英語コミュニケーションなどのワークショップ&イベントについてもご案内しています。ぜひブログをご覧ください。

座談会の様子
座談会の様子

参加者さんとも和気藹々の座談会
参加者さんとも和気藹々の座談会でした

まとめ

  • 上司が部下を育てるつもりでヘルパーさんと対応する。
  • 自分がヘルパーだったらどんな風に対応して欲しいだろうか?という共感する気持ちで励まし、ミスは指摘する。
  • ヘルパーさんの抱えるプレッシャーを時折思い出す。
  • エンプロイヤーとしてはっきりとこちらの意向を伝えるコミュニケーション能力をつける。
  • 家族ではないけれど、家族を支える大切なメンバーであることを心にとめる。
  • 1人のプロフェッショナルとして スキルアップをサポートしてあげる。

夜の講演会・交流会
【香港で人材育成・研修サービスが求められる時代背景】

香港で人材育成・研修サービスが求められる時代背景

香港では人手不足の問題が深刻となっています。欠員率は離職率を常に上回っており企業の雇用意欲はありますが、2018年の失業率は2.8%と1997年以来の最低水準となっているため、雇用が非常に難しい状況で人材確保の競争は激化しています。

海外駐在員のコストも毎年上がっています。香港政府のビザポリシーは厳格化していて、優秀な人材でないとビザの申請が困難な上、香港人より高い給料を出さないとビザの申請が却下されることもあります。香港の物価は上昇しており、海外駐在員の生活費ランキングでは2018年に香港が第1位となりました。日系企業にとって香港人の人材育成に対する喫緊な対応が必須となっています。

日本の制度は必ずしも海外では通用しないため、日系企業は現地化する必要があります。現地化を達成するために、現在の社員を戦力化していき、そのツールとして人材育成研修が必要となっています。香港では人材育成顧問を担当する企業は数多く存在しますが、日系企業に相応しい研修を見つけるのは非常に困難で、未だに集団管理的な教育研修ばかり実施している日系企業が少なくないのが現状です。

人材育成講師が日系企業の人事課題を理解しておらず、日系企業の経営手法のイメージも持っていないなど、日系企業に関する専門性が不足しているのです。そのため、日系企業に勤めている現地スタッフに対する育成プログラムが成立していない状態なのです。このような状況では企業理念を社員に伝えることができません。

人材育成講師の多くはマネジメントスキル、チームワーク構築を専門としていますが、日系企業では内部組織と給与制度には連動していないため、ドーピングのように一時的な研修をしても、その後の報酬に結びつかなければ社員には根付かないのです。すべての企業で同じ研修を行うのではなく、各社の課題に応じてカスタマイズした研修を行い、日々意識させる仕組みが必要になっています。

岩崎 重和さん
夜の部の講師・岩崎 重和さん

また、1度限りの研修が多くフォローの仕組みもない企業がほとんどです。そもそも本社から出向しているマネージャーの香港人への面談やフォローに対するスキルが不足しているのではないでしょうか。

多くの駐在責任者の任期は3年~5年であり、研修後の各社員の個別課題が引き継がれないということもあります。日系企業は一般的にキャッチアップ時間が長く、長期的な人事改革がしづらいこと、システムで人事評価の管理をしていないので、過去の人事問題を理解する手段がないということも要因となっています。

香港では日系企業の就職人気は低く、2017年の調査ではトップ100に入っているのはユニクロだけでした。給与の高い欧米企業、そして雇用が保証されている現地企業の人気が高くなっています。一番重要視するポイントとして、62%の人がワークライフバランスと回答しています。

香港の被雇用者のエンゲージメントはアジア各国の中でも低位で、香港人が企業に対して求めることは、自己実現と自己成長につながる仕事のやりがい、評価に連動した適切な報酬、明確な昇格制度となっています。

講演会の様子
講演会の様子

日系企業は年功序列型のため頑張っても差がつかないので、優秀な人材ほどグローバル企業へながれてしまっています。グローバル企業ではさらに成果を出そうと頑張るのに対して、日系企業では一律に頑張らなくなるという傾向があります。

日系企業では未だにガラスの天井の存在や、継続的な人材育成の仕組みが整備されていないというイメージを持たれていることが多く、優秀な人材を採用できず、採用できても離職も少なくありません。離職率が高いことから人材育成のための投資を躊躇して、結果として企業ブランドが低下して、さらに優秀な人材が採用できなくなるという負のスパイラルに陥っています。

日本型の働き方では特にホワイトカラーの労働生産性が低く、長時間労働にもかかわらず給与水準が低いという結果が出ています。労働生産性を世界と比較すると香港は12位、日本は32位となっています。

日系企業にとって、エンゲージメントを向上させるための教育研修プログラムが必要となっています。エンゲージメントとは社員一人ひとりが、企業の掲げる戦略や目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲です。ある調査結果によると、エンゲージメントを高水準で維持している企業は、低い企業に比べて1年後の営業利益の伸びが3倍となっており、エンゲージメントの高い人は離職の可能性が低いことも報告されています。

お問合せ

contact us

メールメールでお問合せ

お問合せフォームはこちら

求職中の方も、人材をお探しの方も
お気軽にお問い合わせください。

WhatAppWhatAppでお問合せ

68509300
WhatAppをご利用の方は、こちらの番号から
お問合せください。

WhatAppLINEでお問合せ

QRコードで検索

QRコード

IDで検索

@e-job